文庫版エッセイ『歌うように伝えたい』(ちくま文庫)2025年1月発売。

「校了しました……」筑摩書房のKさんから連絡が入った。
梅雨の頃、ちくま文庫から拙作を文庫で出すことが決まって、今年の夏は編集者のOさんと三人で何度も打ち合わせながら丁寧に加筆改訂を繰り返し、新しく蘇ったエッセイ『歌うように伝えたい』を生み出すことができた。
この私の生きたカケラ、記憶の残像を書いてきた。その時々に泣き、また笑い、息の詰まる景色。そこで出会った愛しき人たちのことを歌うように伝えたい。

そして、この10年の苦闘を壊れた身体で懸命に生きたからこそ私は今、ここ生きている。決して忘れることはない。
この一冊を抱きしめて、多くのまだ私の見知らぬ人たちに(読者)に届けたいと思っている。私の蒔いた種が、みなさまの手で実らせてくださることを願い祈って。
2024年12月末