地域猫のクロネコ君(ウチでは黒ゴマと名付けている)が庭先に顔を出すようになって半年になる。その間、母屋に住む義妹が決まった時間に毎日のように餌(煮干しの頭)をあげていると次第に懐いてきたようであり、その動向が可愛くて、妻も念願だったのでウチ猫を飼うことに決めたのであった。
義妹と妻は地域で信頼のある保護猫譲渡カフェ(カフェ料金を払い譲渡可能な猫たちと決められた時間を過ごす、予約制)に通い、その折、すぐに二人に馴染んでくれた猫(生後7ヶ月オス)に決めた。
ついに猫がウチにやって来た。それから1週間はその家に適しているかのトライアルが始まる。初めの日は育ててくれたIさんにケージの中で過ごした方がいいと言われていたが、夕方になりニャア、ニャアと鳴き、出してくれ!と言わんばかりなのでケージから出してやった。
最初は部屋の隅の椅子の暗がりの中でうずくまっていたが、そのまま放っておいて見ていると、キョロキョロしながら歩いてきて二人の中に紛れるように懐いてスリスリしてきた。で、もうケージの中でなくその場で出した食事をカリカリと食べ出した。その動画をIさんに送ったら、すごく安心したとの返信があり、何とかトライアルも大丈夫そうなので、名前を付けることにした。義妹の提案でウズラ豆模様の猫なのでウズラ豆を採用。
いよいよ我が家にネコ天使、ウズラがやってきた。
そして黒ゴマ君は……。
つづく
隔月連載で執筆している週刊誌『サンデー毎日』のエッセイ書評「遠回りの読書」7月4日発売(7月16日号)にてウズラ記を書きました。
是非に読んでくださいませ。