文庫版『歌うように伝えたい』塩見三省著
筑摩書房にて文庫化!
刊行日;2025年1月9日(1月14日発売)
発行;(株)筑摩書房 ちくま文庫
定価;880円(10%税込)
*本書についてのお問い合わせは(株)筑摩書房へお願い致します。
今、ここに生きている。
俳優・塩見三省が病を経て、ままならない身体で懸命に生きた10年間の絶望と希望を真摯に綴る。大幅改稿して文庫化!
解説;川本三郎
装画;ささめやゆき
2014年、突然の病に倒れ、絶望を味わった。しかし著者は立ち上がり、苦しいリハビリを経て、元の世界に復帰した。そして、書き始めた。今までに出会った素晴らしい仲間たち、ともに病と闘った人々、ままならぬ身体と生きること、大切な仕事……本書は俳優である著者が自らの言葉で真摯に語り、文筆家として開花したエッセイ集である。大幅な改訂を経て、待望の文庫化。
(カバー裏紹介文より)
あの時々の季節にすれ違った人たちとの一瞬の出逢いとそれぞれの景色がどれだけ私を支え励ましてくれたことか。
深い想いとして震えるように胸に刻まれている。
(「文庫版後書きとして」より)
目次(抜粋)
◉前書きとして 身体が、手が、足が、うん……。しかし私は生きている。
◉第一章 病との闘い–−「人生が中断する」ということ、立ち直るということ
発症/ドラマの中の自分との対面/尊厳というものの獲得/戦友たち/ある日突然に日常を絶たれた人たち/この身体であることが、私は私なのである
◉第二章 病と共に生きていく−−残像 私の走馬灯
故郷を想う/演劇の時代/シベリア鉄道紀行
◉第三章 あの人たちを想う–−いつまでも忘れないということ
岸田今日子/つかこうへい/植木等/大杉漣
◉第四章 生きることへの支えとして–−映画の光、カメラの向こう側
北野武/三池崇史/岩井俊二/松重豊/テレビドラマとの交差/演劇のこと ラジオドラマの脚本を書く
◉第五章 夕暮れ時が一番好きだ–−気持ちが良いのは少し寂しいくらいの時でもある
長嶋茂雄さん リハビリの師匠/バスに乗る
◉文庫版後書きとして 今、ここに生きている
◉解説 川本三郎

Profole
塩見三省(しおみ・さんせい)
俳優。1948年京都府生まれ。演劇を志し、中村伸郎、岸田今日子らとともに別役実や太田省吾の舞台作品、つかこうへい作・演出の「熱海殺人事件」他に出演。その後、映画「12人の優しい日本人」「Love Letter」「ユリイカ」「血と骨」「アウトレイジビヨンド」、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、ドラマ「パンとスープとネコ日和」他、多数の映像作品に出演。2014年に病に倒れるが、2017年、北野武監督の映画「アウトレイジ最終章」(第39回ヨコハマ映画祭助演男優受賞)で復帰。近年は、映画・ドラマ出演の他、エッセイ集(本書)や脚本、書評も執筆している。
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ラジオドラマを聴いてみよう
「あの日々たちよ〜詩劇としての」作/塩見三省
NHK FMシアター
2024年12月14日(土)夜10時〜10時50分(再放送)
◎同時配信 らじる☆らじる、radiko
◎聞き逃し配信 放送後1週間(らじる☆らじるのみ)
*初回放送;2022年6月11日
出演/西田敏行 倉野章子 勝村政信
高橋理恵子 入江純 猪野学 三谷昌登
音楽/千代正行 演出/真銅健嗣 制作/藤井靖
病で傷つき、また老いもあり、何かをやるにも人の何倍も時間がかかるし、限られている。
もう無理せずに、何もやらないほうがマシとも言えるだろう。しかしだからこそ、あともう少しの大切な残された時間なのだと、ある種の覚悟を持ったこの時期でなくてはできないこともあるように思えて、脚本という新しい道を、気迫を持ってチャレンジしてみました。
「日常を普通に送れるための祈りとしての物語」を書こうとして、書きました。
こんなにも演劇がマスとして巨大化する前の、「純化された劇」をめぐる【あの時代の演劇人たち、日々たち】への夢と現実が交差した、私なりのオマージュです。
出演に、西田敏行さん、勝村政信さん、文学座の倉野章子さんたち、そして高橋理恵子さん、入江純さん、猪野学さん、三谷昌登さんという力のある仲間たちが、この私の初めてのラジオドラマに集結してくださいました。
ぜひ拝聴くださいませ。
2022年5月 歩キ続ケテ果マデ行ク 塩見三省
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