書評04『天路の旅人』沢木耕太郎著/『すなはまのバレリーナ』川島京子文・ささめやゆき絵
『サンデー毎日』「遠回りの読書」から(2023年4月2日号掲載) 沢木耕太郎著『天路の旅人』(新潮社)を読み、約束を果たすということを想う。 第二次大戦末期、ひとりの若者(西川一三)が密偵の命を受け、中国大陸の奥深くにラ...
本についてのエッセイ
『サンデー毎日』「遠回りの読書」から(2023年4月2日号掲載) 沢木耕太郎著『天路の旅人』(新潮社)を読み、約束を果たすということを想う。 第二次大戦末期、ひとりの若者(西川一三)が密偵の命を受け、中国大陸の奥深くにラ...
『サンデー毎日』「遠回りの読書」から(2023年2月12日号掲載) 2006年10月、東京都現代美術館での「大竹伸朗全景1955―2006」展。観に来ていた人たちはまるで別の世界に誘われたようにみんな興奮していた。屋上に...
『サンデー毎日』「遠回りの読書」から(2022年12月11日号掲載) 薄暗闇の中、窓からは人工の灯りが差し込む、ディレクターの声が聞こえる。「カメラ回りました」、私は頷く。「スタート」、恐らくカメラ(ビデオ)の回ったスタ...
『サンデー毎日』「遠回りの読書」から(2022年10月16・23日合併号掲載) 私の前から本、書籍、物語が消えた半年がある。今から8年前のある日、突然身体に異変をきたし、生命はあったが元の自分に戻れない、仕事どころか日常...
画家ささめやゆき様の個展に乃木坂の画廊を訪ねた。この度、私が書き下ろしたエッセイが6月15日に発売になる。その『歌うように伝えたい』の本のカバーにささめや様の絵を使わせてもらった。30年前にやはり、ささめや様が宮沢賢治の...
この辺りに移り住んで30年になる。周辺の街に比べてあまり変化がなく、公園を抱えて静かで落ちついた街である。それでも贔屓の魚屋さんがなくなり、旧い銭湯も消えた。そして今月、唯一の本屋さんが閉店した。日本橋に丸善本店、ネット...
2016年、ABC朝日放送のスペシャルドラマ「氷の轍」に出演した。この縁で先日発売された文庫本に解説文を載せて貰った。3年前の釧路での撮影を一つ一つを思い出しながら、作家・桜木さんと、小説・テレビドラマ全てに関わられた人...
猛々しいほどの夏の暑さから急に涼しくなり、大型の台風、大雨で、11月に入ると、真っ青の空が続く。こんな日は、以前は東京駅までバスで10分位の所に住む私は「一日旅」と名付けて、小田原、熱海、長野の善光寺・上田の柳町通りのル...
忘れられない撮影の日々。二年前、父と子として出逢い交わした台詞、あんなに温かくフラットに居られ、芝居ってこんなに楽しいものなのか、と思わせてくれた星野君。その時のことは、以前に私のホームぺージでも書きましたが、親子の台詞...